2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Waddingtonの研究結果(1953年) 科学では、結論がどうやって導かれたのを、別の研究者が検証することが必須なので、こまかい話になるが、以下に記す。もちろん、私自身の理解促進ともなるので。 Waddingtonが1953年の論文(文献3)に発表した研究データは…

追記:文献です。 Goldschmidt, R. Z., ind. Abstl., 69: 38 (1935) Waddington, C. H., Evolution, 7: 118 (1953) Waddington, C. H., Evolution, 10: 1 (1956) Gerhart, J. & Kirschner, M., “Cells, Embryos, and Evolution” Blackwell Science, Inc. Mas…

Genetic assimilation Drosophilaの受精卵や蛹を特定のストレス(例えば、熱ショックやエーテル処理)にさらすと、ある種の遺伝的変異体と同じ形質異常を示すハエが現れる(フェノコピー、文献1)。フェノコピーはストレス応答の結果であり、ハエにとっては…

まえがき

「進化」を、遺伝情報のセントラルドグマを基にして考えるとき、「遺伝子変異」と「表現形質の自然選択」が二つの基本事象とされる。「遺伝子変異」は“偶発的”に生じ、「自然選択」は結果的に生き残ることだから、このタイプの「進化」のモデルは、生物個体…