2025年12月18日 投稿
「風の谷のナウシカ」第2巻
ナウシカとラステルは瘴気の樹林を突き抜けて、天空に出た。そこにはトルメキアの戦列隊の残骸が積み重なっており、やがて土鬼(ドルク)の浮砲台が現れた。ドルクの兵士と争う中、ドルクの族長の僧正が現れ、二人を迎え入れた(実質は虜だが)。ドルク軍は、トルメキアのクシャナの軍勢が南下してくるのを知っていて(トルメキアの中の裏切り者が伝えたので)、迎え撃ったのだ。
お互いに益のない争いを止めさせるために、ナウシカは僧正を盾にして船を脱出し、ドルクとトルメキアの戦いを止めさせようと、メーヴェを操って腐海の上に飛び出した。そこにはおびただしい数の王蟲(オーム)の群れが、怒りにもえて、トルメキアの宿営地に向かっていた。それは、ドルク軍が半殺しにしたオームの子供を見世物にして、オームを引寄せようとしたのである。トルメキア軍は大混乱となったが、クシャナはクロトアの助けを借りて生き延びた。ナウシカは瀕死のオームの子供を助けようと、クシャナの船に乗り込み、オームの子供を運ぼうとした。クシャナは、ナウシカは僧正たちの船の位置と秘石のありかを教えることを条件に、オームの子供を運ぶことを承諾した。オームの子供は仲間のところに戻ると、光の粉がナウシカに降りかかり、傷がすべて癒えた。ナウシカは青色(オームの色)に輝いた服を着て、黄昏の草原を歩いているように、眼の見えない僧正に代わってケチャには見えた。
風の谷の軍勢は、ナウシカ一人を残して風の谷に戻った。ナウシカは、腐海中のオームが動き始めていて、それはなにかおそろしいことの予兆だと、父とユバ様に伝えてほしいと頼んだ。オームはナウシカにもその予兆について口を閉ざしてしまった。実は、ナウシカがおそれていたことは、大海嘨であった。
風の谷の百歳を超える大ババさまによると、大海嘨とは、腐海がとつじょ沸き返り津波のように押し寄せてくることだ。火の7日間の後、3回あった。最後の大海嘨は300年前のことで、その頃、辺境の諸族はエフタルという強大な王国を作っていた。エフタルには、火の7日間でも失われなかった高度な技術が残っており、豊かな国つくりが行われていた。しかし、王位継承をめぐる争いから、泥沼の内乱となった。武器商人たちは、堅牢なオームの甲皮から武器をつくろうとして、大量のオームを殺戮した。ついにオームの大群が発狂状態となって暴走をはじめた。これが大海嘨であり、20日間エフタル全土を襲った。わずかに生き延びた民が、トルメキアの属領として腐海の周辺に住み続けた。
クシャナの軍隊は全滅し、トルメキア軍本体は本国にいない。土鬼(ドルク)は周辺の地をうかがっている。風の谷の軍は、いまこそトルメキアとの盟約を棄てて、エフタルの旗の下に、ドルクに備えて結集しようとしていた。ナウシカなしで。族長ジルは、ガンシップがナウシカに必要であり、またナウシカにはユパの助けが必要だと言って、死んだ。
オームの子供を助けたことで、ナウシカはオームと少し心を通わせるようになった。オームの光の粉をあびると、ナウシカの傷が癒えた。長老のミトは、ナウシカがオームの運命にこころをひかれていることを心配した。「オームのこころをのぞくな」という言い伝えがあったという。
その頃、ユパはトルメキアの戦争景気でわくセム市の街の食事処にいた。そこで、蟲使いがドルクの貨幣を使うのを見た。蟲使いたちは腐海の村に帰るところで、一艘の船に乗るところだった。ユタは船の上に飛び乗り、艦内に卵の殻のかけらを入れた容器があるのを見出した。蟲使いの船は、新たに表れたドルクの船を先導して腐海の村に戻った。そのドルクの船には、マニ族の僧正の率いるドルクの一隊が乗っており、僧正に助けられたベジテのアスペルもいた。また、ドルクの正規の軍勢もいて、こちらはオームを神聖視していなかった。蟲使いたちは、ドルクの仲間割れを止めるように言い、「注文の品は用意してある」と話した。ユパはこれを聞いたが、換気孔に隠れていたのが見つかってしまった。逃げ回っていると、ユパの前に飼育されているオームの容器が現れた。僧会直属の兵士たちとユパは乱闘になった。僧会側から一人の剣士が現れ、ユパと対決した。その剣士が僧正の船に残ったアスペルだった。しかし、アスペルはユパを助けるために、決闘のふりをしただけで、僧正とともに逃げようとした。そこに、僧会の軍艦が現れ、ドルクの皇弟陛下に率いられた軍隊が現れた。皇弟は、マニ族反乱の信号を受けており、僧正と完全な敵対関係になった。この乱闘で、オームの培養槽が壊れた。
僧正は大地の怒り、つまり大海嘨をまねきよせることを警鐘したのだが、皇弟は、それは「マニ教という邪教の教え」だと否定し、対立は決定的になった。僧正はマニ族に僧会の傲慢さを語ったが、僧会の兵士の集中的な攻撃を受けた。ナウシカは僧正の危機を感知していたが、僧正は「ここへきてはいけない」と言って、滅した。
ここまでが、第2巻である。